第6章 アジトへ
私も小屋に入った。
周りに敵の気配は無かった。
中に入れば、
あっという間に片がついていた。
歴代最強と暗部では呼ばれる3人。
こんな奴等はお手の物だろう。
敵は赤子をひねるように、
やられて横たわり、虫の息。
誰一人太刀打ち出来ずに倒れていた。
カカシが厄介者だと言っていた大男も
捕まえられている。
最後に情報を聞き出す為に
男は生かしたままだ。
木遁の術で、木が縄のように縛られて、拘束されて身動きできず、観念したように大人しい。
大男の顔を見た。
昔の傷が無数にあり
火傷の痕もあった。
私が大男を見ていた気配に、
気がついたのだろう。
私の方を大男は、見上げた。
すると、目を光らせ
物珍しそうに喋りだした。
「ほぉ、女子(おなご)もおるのか!!こりゃ、たまげた!たまげた!可哀想な女子(おなご)よ、運が無いなー、いやはや、可哀想だ」
「……は?可哀想!?」
「……花奏、下がっておいて」
カカシは、冷めた目で敵を見下ろし、手には光る千鳥を包ませたまま近づく。
「ギオニ、お前で最後だ。何か言い残す事は無いか?」
「ふ、ははははは!言い残す事だと!?あるわけが無かろう。しかしここに、女も来るとは、意外だった……ククク」
大男は笑いを堪え切れず
縛られたまま、私を見ながら、身体を震わせる。
「何が可笑しい!!」
声を荒げ、刀を首元に触れるように置いた。
ビンゴブックの、ギオニという男は
死ぬ事を恐れていない、素ぶりを見せた。