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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第6章 アジトへ


カカシが黙って手を前に振り下ろす仕草を出す。行く合図。

素早く全員が飛び出す。

見張り役は4人。真正面に1人。右に2人。左に1人。

草木に刃が触れるたびに、真っ黒に焼け焦げてゆく。

周りから聞こえるのは、風が草木にかかるような木漏れ日のような音。そして雨が降る音。

「ひぃ……!」


敵が焼ける匂いと音に気づく時には、真正面にいた敵の首は、すでに空を飛ぶ。

すぐに左に顔を向け、次の攻撃に備える。

力強く地面を蹴り込んだ。

警備をする盗賊の胸元まで一気に近づく。

「っ!!て、敵……!」

刀を斜めに振り落とし、
左肩から腹まで鋭く引き裂いた。

返り血は浴びない。
数歩下がる。

「カカシ」と背けたまま、彼の名前を呼んだ。

1人お願いします。と目で合図を送る。

叫び声をあげながら、盗賊の男が慌てて扉の方へ走る。

逃げる背中をカカシは捕まえる。

千鳥。

少し開いたドアまで心臓めがけて、一気に貫いた。

雷のような青光りが包まれた右腕からは、チチチと音が響く。

抉った腕を引き抜き、とん、と足の裏で押した男は、ドアと同時に部屋の中へ倒れた。

同時に部屋の中へ3人が入る。

「木ノ葉の忍!?な、何故……!」

中に入ったテンゾウの木遁の術にやられ、絶命した男の声が部屋から聞こえる。

外にいる私は音だけが耳に入っていた。

部屋の中では着実に
任務が終わっていく音が響いてゆく。

声や音は、何年やっても慣れない。

息苦しさを感じていた。


まだ外で1人残る男。

私の方へ怒号と叫び声をあげながら、猛突進でこちらに近づき、刀を振り回す。

「裏切りやがって、クソが!」

「……何が?」

刀を寸で避けながら、刀を構える。

これで終わり。

早く早く、早く終わって。

私の最後の仕事だ。

力を込める。

「分かっていたのだ、俺は!」

その声を聞きながら
刀で横に、真っ二つに切り裂いた。

奴はもう息をしていない。

死ぬ間際、敵はよく、
意味不明な言葉が飛び出す。

「先に手を出したのは、そちらでしょう?」

よくわからない。

肉片が地に落ちる時には、私は外に敵がいないか、
小屋の周りを探し、歩き出していた。


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