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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第1章 家


「理解は出来ますが、納得は出来ません」

「いや、カカシ、おまえが適任だ。小さな頃から花奏を知っているのはおぬしだけじゃ」

「ーーーそれはそう、ですが」

低い声色を出すカカシと、当たり前のように声を出す三代目のやり取りを黙って見ていたが、何の話をしているのか、さっぱり分からない。

「何の話をされているのですか?私だけ置いてけぼりを食らっておりますが」

三代目に質問を投げかけたが、私の問いには答えず、カカシに目を向ける。

「往生際が悪いぞ、カカシ。困っているのだから助けてやれ」

「しかし、三代目!」

「これは火影命令じゃ。花奏は他の忍とは違う。他所から来た人間じゃ。おぬしが一番知っておろうーー違うか?」

「ーーー!!」

無音の空間が広がるが、まだ置いてけぼりである私は、だんだん居た堪れなくなり、逃げ出したくなってくる。

多分、今話をしているのは、幼少期に他里にいた時の地震の話だろう。

倒壊で下敷きになった私と、足を痛めた父を、たまたま任務で通りがかったカカシとサクモさんが助けてくれた。

瀕死の私をサクモさんがおぶって木ノ葉隠れ里病院へ連れて来てくれ、私は命が助かった。

恩人であるサクモさんに感謝して、涙を滝のように流した父を、未だに忘れる事が出来ない。

足が治り、父は忍だった為、ご恩をお返ししたいと、そのまま木ノ葉隠れ里に住み、全てを捧げた父。

大戦で亡くなるまで、頑張って働いていた父。

その父が残した家がなくなってしまった。

カカシにはもう助けてもらってばかりだから、迷惑はかけちゃいけないと思う。

「………!……」

すると、頭にある映像が流れ、アイデアが浮かんだ。

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