第20章 ひとり。
「1番をお持ちの方ー……」
受付のお姉さんが番号を呼び始めた。木ノ葉病院には、足を怪我した人やマスクをして熱にうなされる人、小さな子供、老若男女、さまざまな人が診察を待つ。
ざわざわと院内で話す声が聞こえる。今日の木ノ葉病院の話題は、昨夜の「うちは一族事件」で、もちきりだ。
木ノ葉の街はいつもより騒がしい朝を迎える。早朝に大量の号外が配られた。木ノ葉の住民は奪うように新聞をもらい、食い入るように記事を読んでいた。
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【うちは一族大量殺人事件】
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大きく見出しが躍り出る。
新聞記事一面トップには
こう書かれていた。
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昨夜未明。うちはイタチ(13)容疑者が術や長刀クナイを使用し、うちは一族196名を殺害する痛ましい事件が発生した。
生き残ったのは、うちは一族ただ1人、弟のうちはサスケ(7)。弟の精神状況は不安定だが、命に別状はない。
木ノ葉隠れ里火影、猿飛ヒルゼンは暗部に指示を出し、逃げたイタチの行方を追う。ビンゴブックに掲載されるのも時間の問題だと話す。
今回なぜ、このような凄惨な事件を起こしたのか、原因は一切わかっていない。原因解明を急ぐと共にイタチ の行方を追う方針である。
うちはイタチの昨夜犯した事件は、木ノ葉隠れ里を震撼させる、史上最悪の大量殺人事件となった。
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記事を読んだ指先が
やけに冷たくなるのを覚えた。