第17章 答え
「フガク隊長、聞いてください。イタチはなにか隠している。あのガキが鍵だ。締め上げれば、すぐに答えが出ます。拘束命令を!」
詰め寄る警務部隊。フガクはイタチに目を向けた。目は紅色を放つ。
奥の玄関口では泣きじゃくる花奏をあやすサスケの姿があった。
……頭が痛い……。フガクは腹に溜まる息を吐き捨て、頭に手をやった。
「……イタチは…あの子が来てから確かに、なにかが変わった。皆が言うには理に叶う」
「父上!!」
なにを言い出すんだ!
叫ぼうとすれば、フガクはさらに畳みかける。
「昨夜、シスイが亡くなった。 我が一族の優秀な人材だ。だが、お前はまた、小さな子どもを預かっている。しかも今、1番重要な時期だ、一族の存亡に関わる。違うか!?」
一族……一族……。
イタチは言い返す言葉が出てこない。視線を地面に落とした。現実を見ようとしない。そんな父親に失望した瞬間だった。
最後の最後の……望みは父親だった。空虚感がイタチを襲う。
「オレはおかしくない……自分の役割を果たしている」
もう時間がない。
知らぬは"うちは一族"のみ。
明日か……明後日……。
指令が下るはずだ。
イタチは続ける。
「くだらぬ一族に……オレは絶望している」
平和を願って、なにが悪い。
大切なモノを守ろうとして
なにが悪い!!
「っ!」
イタチは怒りでクナイを取り出し、石壁に打ち付ける。
カッ!!
うちは一族のシンボルのど真ん中に、クナイが刺さる。ヒビ割れてパラパラと小石が落ちた。
「一族などと……ちっぽけなモノに執着するから本当に大切なモノを見失う……」
サスケが大事じゃないのか。家族が大切じゃないのか。クーデターが成功しても失敗しても……未来は絶望しかない。それが、どうしてわからない!
なぜ……なぜ……!!