第17章 答え
「……もっと直接的に言えばどうだ?」
イタチは、咄嗟に足に絡みつく花奏から距離を取った。
「っ……ぁあ、う」小さな声でイタチを見上げた。ビリビリとした空気が放たれている。
「……なんだと?」
玄関口に手をかけた警務部隊たちが合図のように振り向く。イタチを見下しながら。
「オレを……疑っていると言えばいい。違うか」
「ああ、そうだ。クソガキ。そこまで言わなきゃ分からないか?」
「一族を裏切るような真似をしてみろ、タダじゃ済まねぇからな」
お前が殺したんだろう。
罠にでもはめたか?
睨んだ目が物語る。
仲間に向ける眼差しではない。
花奏は、身体が強張り固まる。涙目で怖がる。
「……に、兄さん……」
いつの間にか、サスケまで階段を降りていた。柱の角から眺める弟の視線を感じるが、イタチは止まらない。目が赤く染まる。
「……ガキを連れて行く。うちはを脅かすスパイかもしれないからな。さっさと始末すべきだろう」
指をさされた花奏はイヤイヤと泣きながら首を振る。
「……やめろ」
「シスイが死んだのも、もしや、このガキのせいかもしれんぞ。おい、ぼやぼやするな。今すぐ連れて行け。調べろ」
警務部隊の大きな男が花奏の小さな腕を掴もうと手を上げた。
「い、いゃ、いや!」
小さな花奏が涙をポタポタ床に落とした瞬間だ。
イタチは鈍い音を立てて、玄関口もろとも足で警務部隊を吹っ飛ばした。吹っ飛んだ男たちを、さらに道路まで殴り飛ばした。
長い黒髪をかき上げたイタチは、倒れた警務部隊3名を見下ろす。
「やめろと言ってるのが……聞こえないのか?」
深く冷たい瞳は怒りで震えていた。