• テキストサイズ

【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第17章 答え



「警務部隊には別ルートもある。握りつぶせばすぐに分かるからな」

「早く手がかりが見つかれば良いが……」


警務部隊たちは、イタチに冷たい視線を送り、玄関口へと歩いた。



お前が殺したんじゃなのか?
証拠が出れば即座に……。



警務部隊の目は明らかに挑発的だ。
イタチへの反感が態度に現れていた。


「…………」


口をきつく閉めたイタチは花奏をゆっくりと床に下ろす。そしてシスイの遺書を再び眺めた。



"任務に疲れた このままでは、うちはに未来はない。そしてオレにも…… これ以上"道"に背くことは出来ない"





一瞬、嫌な映像がイタチの頭を過ぎる。

小さな1歳の花奏が傷を負い、真っ赤な血を流し床に伏せた姿を。


そして、花奏をかばった幼いサスケが、上に重なり倒れた姿を。


冷たく動かない2人を。

思わず目を瞑る。

イタチ自身は手傷を負いながら、助けれなかった2人へと駆け寄り、大粒の涙を流す姿を……。


戦争の行く末は悲惨。

痛いほどイタチは大戦を経験した。



"この最悪な未来をお前は見たいのか?"



イタチは頭で幾度も問いかけていた。


二重スパイは裏切り行為。
そんなこと、もっとも己が分かっている。

それでも。

それでも。

サスケを守れるならば。

小さき花奏を守れるならば。



己を犠牲にしても。


やる価値はある。

里の平和が何よりも大切だということ。


結論は悲しいことに、

いつも同じだ。

/ 561ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp