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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第17章 答え



「カカシさん……すまない」

静かに礼をする姿が痛々しい。いったい昨晩何があったんだろうか。



「……お前…何か抱えていないか?
うちは一族で、なんか怪しい動きはあるのか?」

「……」

表情は一切変えていない。心拍も平常に貫く。ただ、カカシが今言った言葉は、イタチの心を揺るがす。


「……カカシさん、」

そう言葉を続けようとしたときだ。

「兄さん!」

トンと背中から
抱きついてきたのはサスケだ。



「兄さんを見つけたから、走って来たんだ」

笑顔で手を回して抱きつくサスケ。顔をカカシに向けると半眼に変わる。


「お前……誰?」

「え? はたけカカシだけど…知らない?」

「知らない」

じろりとサスケは
カカシを怪しい顔つきで睨んだ。

「口布して顔を隠してるぜ、怪しいよ、コイツ!」

びしっと、人差し指でさされた
カカシは半眼だ。

「お前……生意気なガキだね? 暗部に入ったら嫌ってほど、シゴいてあげるよ」

「あんぶーー!? オレは、警務部隊に入るんだ。な?兄さん」

サスケの目はキラキラ輝いて
イタチを見上げていた。



なにも知らないのか……?

カカシは口に出さない。
なにも聞かなかった。


「サスケ。わかったわかった。 さあ帰ろう」

暗い表情のイタチはサスケの頭を撫でる。花奏は、「あ、か、」
と手を振ってバイバイしていた。

笑ってる。
めっちゃ目はニコニコだ。

なんか……寂しいねー。

「……バイバイなんかできるようになったのねー」

成長が早いが、
そろそろ限界だった。


はあー……。
戻った花奏に、ぎゅうって触りたい。抱きしめたい……。


ため息を吐いたカカシは、ズボンのポケットに手を入れる。去りゆく3人を寂しい目で眺めた。



「……1、2、3……、ん?」

気配を確認すれば、イタチの周りには何故か警務部隊の人間が後をつけている。…5人?

「…………」

その光景は、
うちは街では異常であった。



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