第17章 答え
翌日の朝。
カカシとイタチは
うちはの門前で会った。
「カ、あぅあ、ま!あ、ま」
「あ、今、カって言ったか? なんか言ってるねー」
迎えに来たカカシは、赤子の脇に手を入れて抱っこした。
「喃語が増えたねー」
また重たくなった。ずっしりとくる。米10キロぐらいか?
「イタチ、助かっ……」
礼を言うカカシの口が止まる。頬は横一文字に切り傷を作り、拳は包帯で何重にも重ねていた。赤く血が滲む。
「え、お前どうしたのよ、何かあったの?」
そう聞いても反応はない。イタチの目は深く沈み、花奏を見つめたままであった。
「……体調が急変するかもしれない。すまない……気をつけて見てあげて欲しい」
イタチは酷く暗い表情で
低い声だ。さすがにカカシも気づいて顔を傾ける。
「イタチ……お前どうしたの……?顔色が悪いんじゃない?」
青白く見えた。
昨晩寝てないような様相だ。
「親友が……シスイが昨晩亡くなった…。カカシさん、すまない…今日だけいい……。休ませてくれないか?」
「なに?? シスイ……が?」
カカシは目をむいた。シスイを知っている。知っているどころではない。
数ヶ月前の話だ。シスイを暗部に引き抜きたいと3代目に志願した。うちは警務部隊に入っていると言われ、断られた記憶があった。実力ははっきりと言えばイタチ以上だからだ。
「原因はなんだ……??」
「自決だ。崖から身を投げた……」
嘘は言っていない。
イタチはギリギリと奥歯を噛み締めていた。
「オレが……すべて悪いんです」
「そうか……、イタチ、1週間休んで良いよ」
カカシの声に、目を大きく開かせて、イタチは頭を上げる。
「オレもね。親友のオビトやリンを亡くしたとき、4代目が休ませてくれたんだよね。あと、みんなも気を使ってくれてね。んー、だから気にすんな。ゆっくり休養して、また働いてちょーだい」
ぽんと、肩を叩いて花奏を預けた。「そのかわり……」とカカシは続ける。
「花奏頼むね。 みんなでイタチの分を回すから。ま、1週間もあれば、解って言えるぐらい大きくなってるかもね」
目を細め、
イタチをねぎらった。
イタチは大事な即戦力であり、
頼りになる存在だ。