第17章 答え
壁際に立つイタチは、困ったように微笑を浮かべた。
「人見知りが激しくて……。寝れば影分身を使って、先に帰ってもらうつもりだ」
イタチはそう言い、赤子を抱いて座らずに立つ。皆は腰を下ろし、膝を床につけるのに、シスイとイタチは壁に背をつけて立っていた。
それは、2人だけが反抗しているような、異様な姿であった。
フガクは壇上に立つと、補佐を担当する忍に指示を出した。
合図をもらった2人の忍は、壁に巨大な紙を貼る。4畳分ほどの大きさがあった。
フガクの背後に
壁一面に紙が貼られる。
木ノ葉隠れ里のアカデミーを中心にした地形図だった。そして所々に✖︎印が記入され、暗部本部には赤い二重丸がつけられていた。
イタチは静観していたが、赤子を抱く力は強まる。となりにいるシスイは下唇を噛んだ。
フガクは壇上で話を始める。
「以前からクーデターをすることは決まっている。日程は最後に決めるとして……」
地図に人差し指をさす。
「私は……、無血革命を行いたいと思う。アカデミーの火影である、猿飛ヒルゼン、上層部の人間を捕縛するつもりだ」
騒めきは強まる。呆気に取られたと表した方が正解だ。命をかける覚悟で集まったメンバーは、お互いを見合わせる。
「無血革命……?」
騒めいた中から1人の忍が呟く。困惑した表情だ。
「ああ。争いはやらないつもりだ。ただ……、目指すつもりで、実際のところは、無血とはいかないだろう。多少の血は流れる」
「暗部や忍を舐めているのか、フガクさん。 多少の血を流すだけでクーデターが出来るわけがない」
シスイは断言した。自身は万華鏡写輪眼を開眼させている。力があるのに首を振る。
「どんなに……うちはが最強だと言われても、暗部を、木ノ葉を舐めてはならない。話し合いで解決出来ないのか?……オレは、はっきり言えば、いまのままで十分だと思っている」
言葉を終えると、なぜかうちは精鋭部隊から、嘲笑の声が広がった。