第17章 答え
ただ夕日は沈み暗くなり始める。冬の日照時間は短い。イタチはバンダナを外し、空と遠くでこちらを見ている2人に目をやった。
「そうしてやりたいが、今日は会合に参加する予定だ。 サスケそろそろ帰ろう」
「……最近兄さん、全然かまってくれないじゃないか……」
ちらりと横を見た。シートを片付けてこちらに近づく影分身と、抱っこされる花奏がいる。毛布が胸までかけられた状態だ。ちゅぱちゅぱ指を吸っていた。
「……ヤキモチか? 来週教えてやるから。また今度だ」
イタチがトンとひたいを小突くと、口を尖らせるサスケ。かわいい弟は仕草も可愛い。
「ぜったいだよ?兄さん」
「ああ、約束だ。 サスケほら帰るぞ」
クナイや手裏剣を袋に戻したサスケへイタチは優しく声をかける。影分身はイタチへ赤子を渡すと、ポンッと音と共に消えた。
「うん!」
明るい表情で隣に歩く弟。この笑顔を壊したくない。帰路を急ぐ2人は笑顔で、抱かれた花奏は気持ち良さ気に、すやすやと眠りについていた。