第17章 答え
「バカなことを言うな!!」
大きな怒鳴り声が客間から聞こえ、サスケは肩をすくめた。ビクッと反応したのはサスケだけじゃない。花奏も、すぐに大きな音がしたドアの方に顔を向けた。
「今日こそは必ず会合に参加しなさい! 重要な話が出てくるのだからな!」
「無理……です。オレは花奏ちゃんの面倒を見ないといけないので」
揉めている。言葉が聞こえてこなくとも、
ピリピリした冷たい空気は伝わった。
なにを話しているのだろう。
音を立てないようドアを開けた。
トントン……と静かに一階に降りていく。サスケは赤子を抱っこしていた。フラフラ危ないが、どうにか抱えている。
「……イタチ、赤ん坊ならば母さんに任せておけば良い。今日は必ず来なさい」
のらりくらりと会合に参加しなかった。どこかで現実を受け入れられなかったのだ。
「……分かりました」
イタチは早々と切り上げて障子を開けた。気づいていた。
「サスケ、
修行に付き合ってやろう」
フガクの怒りの矛先がサスケに行かぬよう、イタチはサスケの肩に手をかけ、くるりと反転させた。
「本当に!?兄さん!」
花が咲いたように明るく反応するサスケが、可愛くて仕方なかった。廊下をドタドタと歩いて玄関に向かう。西日はゆっくり暮れそうだが、まだ時間はある。
「イタチ、今日の夜の会合は、必ず参加しなさい。いいな」
「……はい」
フガクはイタチの反応を見てから、客間を出て、自室に向かった。
イタチは玄関に向かい、
赤子をサスケから抱き上げた。
「……キャハキャハ」
最近片手で抱っこ出来るようになった。お腹や胸を、こちょこちょとこそばせると、笑って声を出す。
イタチにとって、サスケと同じぐらい花奏の存在はとても大きく、そして大事であった。