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お菓子詰め放題(ジャンル各種)

第1章 理解(手下/マルフィ)




「あわないの。」

「あわない?」

「そう、貴方と私じゃ1つ足りともあいはしない。パズルピースと同じよ。」


敢えて主旨を伝わりにくくしながら話すのは、彼にこんな醜い私を知って欲しくはないから。

もっと自分を好きになれたら私は可愛かったのか、それとも見た目をもう少し気遣ってやればふつうの可愛い子になれるのか。



いいえ、私は元から可愛げなんて持っていない。

いつだって人と比べられては落ちこぼれの可愛くない人になりがちで、見た目だけで性格が根暗そうだとか面白くなさそうだとか決めつけられていた。

そう決めつける人も悪いのだけれど、結局は反論も何もしてこなかった自分が悪い。


「パズルはやったことあるでしょう?」

「一度はね。」

「ほら、パズルピースって周りと形が同じじゃないと色が似てても組み合わせられないじゃない?きちんと隣り合ったものでなくちゃ完成しない。」


パズルをするような動作をしてみせれば、彼はそれが可笑しかったのか口元を緩める。
私もつられて軽く笑ってみせた。


「それで?」

「ふふ、おしまい。」

「もう終わりかい?」

「えぇ。」


これまでに見たことがないくらい心底驚いたような表情をする彼に、思わず笑ってしまった。



「ふふ、そんなに驚くの?」

「...、主旨にわざと触れないように話したのか。」

「あら、わかってるじゃない。それなら直ぐに私の話していることなんてわかるはずよ。」


けらけらとおどけたように言って見せる。

しかし私の言葉が何かに触れたのか、彼の隠れた視線にほんの少しだけ身震いをした。



もしかして怒らせてしまっただろうか、しかし一体どこで?

当然私のことなのだから大体ここだろうというのは理解しているけれど、彼が怒るような事ではないはずだ。


冷め始める温度が嫌になってまた紅茶を飲もうとカップに手を差し伸べると、その手をしっかり掴まれた。






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