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【YOI男主】裏・小話集【R18】

第1章 裏・小話集


『俺だけのネゴシエイター・2』(守道×オタベック)


彼の消えない心の傷を知った守道は、それでも変わらぬ想いを伝え、「少しずつ慣れていかないか」と、オタベックに無理強いしない範囲でのスキンシップから始めていった。
この頃では、時折布越しではなく直に互いの性器を握ったり擦り合わせる事もあり、今夜は珍しくオタベックの方から誘いかけたものの、土壇場になってあの時の恐怖が甦ってしまったのだ。

「俺は欠陥品なんだ…自分から誘っておきながら、好きな人と満足にセックスも出来ないなんて」
「次、それ言ったら怒るよ。俺と君の間には愛がないとでも?」
「でも、俺は…っ」
「君は、あんな辛い思いをしたにも関わらず、こうやって俺に肌を許してくれる。それだけでも俺は充分嬉しいよ」
「だって、貴方はやせ我慢しているのだろう?いつも俺が眠った後に貴方が独りで処理してる事、俺が知らないとでも?」
「そりゃ、最後までしたくないと言えばウソになるけど、一緒に気持ち良くならないと意味ないよ」
体勢を変えた守道がオタベックの背中を優しく叩くと、オタベックは守道の見かけよりも逞しい胸元に、涙で濡れた顔を寄せた。
彼の穏やかな心音を聞いている内に、少しずつだがオタベックも気持ちを落ち着けていく。
「俺さ、陸上でも氷でも、スケートはまあ普通に転ばず進んで止まれる程度なんだ」
「?」
「そんな俺が、いきなり3回転ジャンプ飛びたいとか言い出したらどうする?」
「無理だ。貴方のスキルによっては、練習次第で半回転やシングルなら出来るかも知れないけど、そんな危ない真似はさせられない」
「今の君も似たようなものだよ。だから、焦らずに行こう。大丈夫、少なくとも俺が3Aを飛ぶより遥かに成功率高いから」
「…随分と気の長い話だな」
些か間抜けな喩えだが、何故だかオタベックは笑いがこみ上げてきた。
本人は否定するが、やはり彼は父親と同じく外交官の素質があると思う。
だけど、
「それなら、俺との交渉が成功するまで、貴方はずっと付き合わなければならないぞ?」
「勿論。それまでも、そしてその後もずっと君と一緒だ」
(彼は、俺だけのネゴシエイターだ)
当然のように返す守道にきつく抱き寄せられたオタベックは、先程よりも早まる彼の鼓動と股間の熱さと硬さに、満足気に息を吐いた。
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