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【YOI男主】裏・小話集【R18】

第1章 裏・小話集


『その為の場所』(守道×オタベック)


ワンガレージ式の多目的ホテルに車を止めた守道は、俯いたままひと言も喋らずにいるオタベックに視線を移すと、声をかけた。
「ここは、誰とも顔を合わせる事なく精算と出入りができるし、同性同士も使用する施設だから、心配しなくても大丈夫だよ」
「でも、こんな…」
「今更だろ?ここは、その為の場所なんだから」
洗練されたデザインに統一されているものの、一般的なホテルとは明らかに異なる設えに、オタベックは戸惑いを隠せないでいた。
帽子を深く被っているので細かな表情は判らないが、そこから覗いた耳たぶが真っ赤に染まっているのに気付いた守道は、イタズラ心を起こすと恋人の両肩に手を乗せた。
「どうしたの?」
吐息混じりに囁くと、オタベックの身体がビクリと震える。
「怖い?」
「違うけど…恥ずかしい」
「いつまで経っても慣れないんだね。…でも、俺はそんな君が俺の腕の中で悶えまくる姿を見るのが、たまらなく好きだけど」
その形良い耳朶から首筋に向かって舌を這わせると、恋人の口から無防備な声が上がった。
床にへたり込んでしまったオタベックの前に立った守道は、自分の中に沸き起こる欲情と仄かな嗜虐心を抑えきれずに、口元を皮肉げに歪めた。
一見いつもと同じような守道の瞳が欲望に染まっているのを目の当たりにしたオタベックは、これから己の身に起こる出来事に身を竦ませつつも膝立ちで近付くと、服越しでも判るほど硬く膨張している彼の股間に顔を寄せた。

ベッドを這って逃げようとするオタベックの腰を捕まえると、守道は背後から彼を攻め立てる。
「もう、むり、ダメ」
うわ言のように繰り返す恋人の懇願を無視しながら、守道は程良く筋肉の付いたその背に噛みついた。
否や悲鳴が漏れるも、己の肉棒を局所が締め付けて来たのを覚えると、幾度目かの絶頂に向けて腰を激しく動かし続けた。

翌朝。
無言で身支度をするオタベックを、守道は恐る恐る窺う。
何発か叩かれる事も覚悟していたが、昨夜の興奮はどこへやらといった様子に、些か拍子抜けした気持ちを持て余しつつ、守道が車の鍵を手に取った刹那、
「…また日本に来た時は、連れてきてくれるか?」
仄かに情欲の名残を帯びた囁きが、守道の鼓膜と股間を刺激した。
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