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【YOI男主】裏・小話集【R18】

第1章 裏・小話集


『愛(欲)について・Cold』(ヒゲ×純)


「もう帰れ。試合控えてる奴もいるのに、周りに感染ったら迷惑だろ」
「藤枝コーチ、純先生は僕の振付チェックの為に」
「…いや、ヒゲの言う通りや。ホンマにゴメンな。後で動画で確認してメールさせて貰うわ」
すっかり嗄れてしまった声をマスク越しに発しながら、純は、恐縮している生徒に謝罪するとリンクを出た。
昼夜の温度差から風邪を引いた純は、数日の間は完全武装しつつ藤枝のアシスタントに努めていたが、一向に症状が改善せず、この頃は夜中になると咳き込んで眠れない状態が続いていた。
現役時代からギリギリまで我慢をしてしまう純の性格を熟知している藤枝は、敢えて生徒達もいるリンクで退場を命じたのだ。
ふらついた足取りで出口へ向かう純を、追いかけた藤枝は声を掛ける。
「ちゃんとタクシーで帰れよ」
「…ああ」
「横着しないで、着替えて寝ろ」
「せやから、判ってるって!子供やないねんから」
「体調悪いのに、聞き分けのねぇ子供みたいな真似してるからだろうが。夜ロクに眠れねぇんだから、せめて昼くらいは休め。スマホも家の電話も呼鈴も一切出なくて良い」
「…ん」
ぶっきら棒な物言いの中に含まれた藤枝の本心に、純は苦笑した。

前言撤回や、と脳内でありったけの呪詛の言葉を反芻させながら、純は薄暗いベッドの上で、口腔の粘膜に男の怒張を含まされていた。
早めに帰宅して休んでいたのは、この為ではないというのに。
「この1週間弱、キスもハグもしてないんだぞ。おまけにお前のハスキーボイスが、俺の鼓膜と股間に来る」
「好きでこんな声になったんと違う!NGにしたんは、感染防止の理由で…っ」
反論を続けようとした純の口に、再度藤枝の雄が捩じ込まれた。
久々の男のソレに粘膜を刺激され、哀しいかな純の下半身は、いつしか快楽を求めるように揺れ始める。
「お前も、待ってたんだろ?」
「…僕は、警告したからな」
心なしか涙目になりながら、純は藤枝の上に跨った。

「今日は、藤枝コーチが休みですか?」
「あんなエロ…アホヒゲ、ほっといたらええねん」
そう返す純の頬は、風邪が治ったのに赤く染まっていた。
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