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【YOI男主】裏・小話集【R18】

第1章 裏・小話集


『密室のエロス』(礼之×ユーリ)


隠し切れない痛みと圧迫感に苛まれていたユーリは、突如自分の身体の上で礼之がくぐもった唸り声のようなものを漏らした直後、自分の中で彼の昂りが蠢くのを覚えた。
「ごめ…っ、ユリ、僕…何で…」
「礼之…?」
眉根を寄せたまま、礼之はやがて小刻みに肩を震わせながら、その青い瞳から涙を零し始めた。
夏休みをエスポーで過ごしていた所に、ユーリからダーチャの誘いを受けた礼之は、かつて東京で2人きりで過ごした濃密な夜の続きを今度こそ、と内心意気込んでいた。
ところが、初めてのユーリをろくに気遣う事も出来ない内に、呆気なく達してしまったのである。
「僕、ユリを気持ち良くさせてあげたかったのに…こんな三こすり半とか…」
泣きべそをかく礼之を見上げていたユーリは、やがてゆっくりと手を伸ばすと、彼の頬に触れた。
「泣くなよ」
「…でもっ、」
「あんま泣かれるとな、お前のアレで振動というか…ちょっと苦しい」
「あ、ごめん…」
鼻を啜りながら涙を止めた礼之は、申し訳なさそうにユーリを見下ろす。
「礼之」
「…何?」
「俺の中、気持ち良かったか?」
「え…?」
「答えろよ」
「気持ち良かったよ。だから僕、早々に…」
「なら、そんな顔すんな」
ユーリに身体を引き寄せられ、抱き込まれた礼之は、彼の温かさに嬉しくも情けない気持ちを隠せずにいた。
「何で、俺が落ち着いてるか判るか?」
「?」
「お前が、俺を『絶対に傷つけない』って言葉通りにしてくれたから。あの東京の夜と同じように。だからちょっと怖かったけど、お前に身を委ねられたんだ」
「ユリ…」
「それに、1回こっきりで終わりじゃねぇよな?ずっとお互い我慢してたんだし」
「あ…うん」
語意に気付いた礼之は、ユーリの中から己を引き抜く。
陰茎の先端に絡まった射精済のゴムを処理する礼之の背中に、ユーリの呼びかけが響いた。
「次は、つけなくていいぞ」
「…え?」
「だから…次はつけなくて、いい」
都合良過ぎる言葉に一瞬幻聴かと思った礼之だったが、振り返った視線の先で、顔どころか全身を朱に染めたユーリの情欲に潤んだ瞳に気付くと、瞬時に股間に血液が凝縮し先程にも増して硬くそそり立った。
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