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【YOI男主】裏・小話集【R18】

第1章 裏・小話集


『Ride on(守道×オタベック)』


湿った吐息を断続的に漏らしながら、己の上で腰を振る恋人の姿と粘膜の感触に絶頂を迎えそうになった守道だったが、あと少しという所で思わぬ締め付けに阻まれた。
「ちょ、いきなり何…」
「──どんな気分だ?」
予期せぬ出来事に余裕のない声を上げる守道を、オタベックは情欲に塗れた瞳で見下ろす。
「かつてセックスどころか、触れられる事すら怯えていた俺に、こんな風にイクのを止められて…どんな気分だ?」
忍び笑いを零しつつ、繋がったままの姿勢で己の身体を太腿で挟んできた恋人に、守道はゾクリと背筋が震えるのを覚えた。
少しずつ情事を重ねていくに連れ、この体勢がオタベックにとって一番落ち着く事が判った。
それは、かつて痛ましい事件に巻き込まれた際に関係しなかったのと、「まるで俺が、貴方を犯しているような気分になれる」という背徳的な意見もある。
「…君のそんな顔を見られるなら、最高だな。どうか、この駄馬を躾けて下さいますか。カザフの英雄様」
下卑た息を零しながら守道は答えるも、締め付けはそのまま顔を近付けてきたオタベックに、思わず身構える。
「違う。貴方の前では、俺はただの人間。貴方が欲しくて、可能な限りの手を使って貴方をこの地に…俺の傍に留まらせた狡猾でさもしい男だ」
「…」
「可哀想に、貴方はもう何処にも逃げられないんだ。俺のせいで…っ?」
自嘲を帯びた呟きが終わらぬ内に、オタベックの中で愛する男の象徴が先程よりも硬さと角度を増したのを覚えた。
「俺が、君を汚したんだよ。俺にさえ関わらなければ英雄のままでいられた君を、滅茶滅茶に汚して俺の上で淫らなお馬さんごっこをするまでに、ね」
「それを望んだのは俺。だって、貴方の膝もココも、乗り心地最高なんだもの」
普段のオタベックからは考えられぬ淫媚な笑みを目の当たりにした守道は、遂に堪え切れず恋人の中で達し、程なくしてオタベックも短く声を上げると、守道の身体に白濁の飛沫をかける。
「…もう少し、保って欲しかったのに…っ…」
「お互い様だろ?」
互いの精を中と外に浴びた2人は、体臭に塗れたまま深く唇を重ね合わせた。
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