モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第8章 未知のトリオン兵と白い子供
会議が終わり部屋を出ようとした時、秀ちゃんが三雲君に話しかけた。
「三雲君、ちょっといいか?」
「あ、はい。なんでしょう?」
「実は昨日、大型トリオン兵が俺達が着くまでに倒されていてね。近くに君の同級生がいたから、君がやったと言うなら府に落ちるんだが」
秀ちゃんは三雲君が近界民と繋がっていると思っているようだ。その事については僕も同意だ。
三雲君は少し考えて、ハッキリ言った。
「...はい、僕がやりました」
「そうか。ありがとう」
そこで会話が終わり、疑惑が確信へと変わった。秀ちゃんは明日にでも動きそうだ。
悠一と三雲君と一緒に廊下を歩きながら駄弁る。今日は主に自己紹介だ。
「三雲君のお目付け役になりました、藤咲明希です」
「三雲修です。あ、あの、さっきはありがとうございました」
自己紹介したら突然感謝された。身に覚えがないぞ?
「ん?何が?」
「先程僕を庇ってくださいましたし、処分しないでくれました。本当にありがとうございます」
「ん~『庇った』ってのはちょっと違うかなぁ?」
「え?」
三雲君がキョトンとした顔で首をかしげる。可愛いな。
「だって、僕が三雲君を気に入ったのは事実だし、三雲君の態度と意思を見て、このまま脱退させるのは惜しいと思っただけだもん。だから『庇った』んじゃなくて、城戸さんに『欲しい』ってねだっただけ」
「『欲しい』ですか?」
「明希のおねだりなんて珍しいんだよ?明希とは幼馴染みだけど、めったに見た事ないし」
「そ、そうなんですね」
三雲君が何とも言い難い顔をしながら、受け入れる。なかなか良い子じゃないか。
「そうだ!三雲君今から時間ある?」
「えぇ、まぁ、一応ありますが」
「じゃあさ、今から模擬戦の約束してる人の所に行くんだけど、三雲君も行こうよ!強くなるには見るってことも大事なんだよ!」
三雲君は少し考えて、着いて行くと言った。そう来なくっちゃ!
早速ブースへ行き、目的の人物を見つける。
「陽介君!」
「お、来たな!ってお?迅さんと知らない子も一緒?」
「実はね僕らの模擬戦してるとこ見せてあげようと思ったの。ダメかなぁ?」
「そう言うことなら良いぜ!んじゃ、メガネボーイ!しっかりと見ていっぱい学べよ!」
「メガネ!?」
個室に入り、相手を選ぶと転送される。
今日も思いっきり暴れよう。