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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第7章 模擬戦と面白い子


全員が揃ったのはそれから20分後だった。
悠一が席に着いた事で会議が始まる。

まず最初はC級隊員の三雲修君についてだ。話を一通り聞いて、僕の意見も城戸さんに伝えてはあるものの、この先はどうなるかわからない。
そんな中、三雲君の隣に座る悠一はずっとスマホでニュースを見ていた。ここに来る道中の爆撃型トリオン兵のやつだ。
唐沢さんが「今日と同じ事がまた起きたらどうするか」と聞くと、三雲君は「また助けに行く」と答えた。
僕は単純に凄いと思った。城戸さん達の言うように規則を守ることも大切だと思うけど、ボーダーは近界民の侵略からこの世界を守るための機関である。三雲君は順序は違えどそれを全うしていて、その場で逃げる事しかしないよりも余程ボーダーらしい。
それに、訓練生でそれだけの事が出来て、今のように上の人間にもハッキリとものを言う姿勢は大変好ましい。

「いいじゃん」
「!」
「明希?」

お?声に出てたのかな?まぁ良いや。

「僕、三雲君気に入ったよ。自分の意思をしっかり持ってて、それをしっかり行動に移せるのってなかなか出来ない事だし、それに堂々とした口調と姿勢が何より良い。上の人間の顔色を伺ってる奴よりも信頼出来る」
「三雲隊員はボーダーの規律を破っているが?」

城戸さんが返す。そんな事聞いてたからわかってるよ。

「規律を守る事も大切だけど、そのせいで人が死ぬんだったらそんな規律はいらない。訓練生の規律を改正するべきだと思いますよ。なんなら僕も改正案出しますが?」
「...今はその話は後だ。三雲君の処分についてだが...明希。お前が決めろ。万一、の時はお前も脱退だ」

城戸さんがボーダーの戦力を下げるような事を言ったが、それは僕を信用しているからこその保証のようなものだ。

「わかってますよ、城戸さん。それに、僕がそんなヘマするわけないでしょう?ってことで、よろしくね?三雲君」

遠くの席に座る三雲君に手を振り、城戸さんの後ろに戻る。
これからどんどん楽しくなりそうな、そんな予感がする。

「次にイレギュラーゲートについてだが、迅。何かわかったか?」
「いえ、特にわかっていません。ですが、明日には原因をここに持って来れると、俺のSEがそう言ってる」

悠一がそう断言した。その言葉に嘘はなく、しかもそこにいる三雲君が関わっているらしい。
早速面白そうな事になって来た。
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