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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第7章 模擬戦と面白い子


回収されている残骸を見ながら、事態の異常性を考える。
誘導装置をが壊れている訳でもないのに市街地で開くゲート。考えられるのは誘導装置を掻い潜る為の何かを持っている可能性と、昨日の大型トリオン兵を壊した奴がゲートを開いている可能性。
どちらにしても厄介だが、今日のグラウンドはほとんど人がいない状態だった。そんな所に見知らぬ人間がいれば教師が様子を見に行くだろうから、後者の線は薄いと予測する。
ならゲート掻い潜る為の何かとは何だ?新種のトリガーは起動させれば本部のレーダーに引っ掛かるはず。引っ掛かってない事から新種のトリガーは違うだろう。ならば専用のトリオン兵か?本部も未確認のトリオン兵であればレーダーに映ることはない。こちらの可能性の方が高い。

「明希!」
「わっ!?」

いきなり秀ちゃんに声を掛けられる。

「大丈夫か?何か考え事か?」
「あ、うん。さっきのイレギュラーゲートの事で少し」
「マジで?明希頭いい~!城戸さん達に伝えねぇの?」

秀ちゃんの後ろから陽介君が顔を出す。

「あくまで可能性の話だし、事実と違ったら大変だよ」
「そんな事ねぇって!昨日蓮さんも『瞬間出力の兼、藤咲さんの言ってた通りだったわ』って誉めてたぜ!」
「そうだったんだ、良かった。少しは役に立てた」

この程度なら城戸さん達だって思い付いていた筈だ。だから僕が凄いわけじゃない。

「だからさ!今回も明希が考えてたこと教えてくれよ!な?」
「...わかった」

先程考えていた事を丁寧に話す。どちらも可能性でしかないし、どちらも違う事だって考えられる旨も伝える。その上で2人は僕の考えに賛同してくれた。

「2人ともありがとう」
「いいって!俺達もそうだと思ったから賛同したまでだし!な?秀次」
「あぁ。もし違っても誰も明希を攻めたりしない」

2人が優しすぎて泣きそうだ。良い友達に巡り会えて僕は本当に幸せ者だと思う。

その日の放課後、約束通り陽介君の家を教えてもらい、そのまま本部へ行く。
何故陽介君の家を教えてもらったのか秀ちゃんに説明すると大きなため息をついていた。秀ちゃんも大変だなぁ。
本部に着けば、僕と秀ちゃんは指令室へ向かう。陽介君との模擬戦は用事が終わってからだ。

上層部会議室に入ると、殆どの人が揃った状態だったが、C級の子と悠一はまだだった。
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