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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第4章 嫌な思い出とSE


宇佐美視点

「それより!『聞きたかったこととちょっと違う』って栞言ってたけど、どんなことが聞きたかったの?」

明希ちゃんが頑張って話題を反らす。顔真っ赤で可愛かったのに。

「詳しく言うとね、明希ちゃんと迅さんっていつから一緒なのかなって思って。凄く仲良いのは見ててもわかるんだけど、どういう経緯なのかなって思ったの」
「あぁ、そう言うことね。簡単に言えば、僕が産まれたときからかな」

産まれた時から!?繋がり濃いな!

「そうなるな。家隣りだったし、親同士かなり仲良かったからな。明希が産まれた時俺は2歳半だったけど、病院で生まれたての明希がケースに入ってるとこ見たの覚えてるし」
「そんな昔の事よく覚えてたわね」

迅さんの記憶力凄いなぁ。私が覚えてるのなんて3歳の頃の記憶なのに。

「まぁ、でもそれだけじゃ無いかな。ほら俺、SEあるだろ?それで人が死ぬ未来とか見えた日にはパニック起こしちゃってさ、明希が大丈夫って宥めてくれても落ち着かなくって、イライラしてたんだろうね。心配してくれてる明希に石投げて怪我させちゃった事あったよ」

SE持ちあるあるなのかな?菊っちーからも似たような体験談聞いた覚えがある。

「そう言えばそんな事もあったね~。頭に当たったんだっけ?でも、それだったら僕も悠一に酷いこと言ったよ?」

なんと!明希ちゃんが!?

「話すと長くなるけど、大丈夫?」
「大丈夫!明希ちゃん達の事もっと知りたいし!」
「わかった」

明希ちゃんがそう言った時、表情が少し曇った。

「まだ言ってなかったんだけど、僕にもSEがあってね?【読心】って言って、相手の考えてる事がわかったり、その逆もあるの。
まぁ最初は慣れてないし、突然色んな人の思いや考えが頭に流れて来るから、気持ち悪くて吐いちゃってね。そしたら周りが心配するじゃない?素直に話しても信じて貰えないし、信じて貰おうとして相手が考えてる事を当てると気味悪がられる。
僕の周りにいた人間は僕を避けるようになってね、遂にはイジメが始まったんだよ。幼稚園では怖がられて、小学校では『化け物』と呼ばれて、先生だってみんなの味方だった。
イジメが続ければストレスが溜まるし、かといって発散の仕方なんて小さい子にはわからない。そしてある日とうとう限界が来たんだ」
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