モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第3章 勧誘
翌日、気が向かない中ボーダー本部に向かう。
もうすぐで警戒区域に入ると言うところで、A級7位の三輪隊が待っていた。
「あんたが《シュウ》?」
「はい。仕事中ではないので正確には違いますが、今はそれでお願いします」
「わかった。本部長の所まで案内役として任された三輪隊隊長代理、奈良坂透だ」
「隊員の古寺章平です」
「米屋陽介。陽介で良いぜ!」
「覚えました。案内よろしくお願いします」
隊長不在の三輪隊に案内されて上層部会議室に通される。
中にいたのは、城戸さんをはじめとする旧ボーダー時代のメンバーだ。
奈良坂君に席に着くよう促されて座ると、正面に座る城戸さんと目が合う。
「お久しぶりですね。城戸さん」
「...本当に明希なんだな?」
「本物だと言う証拠に、今この部屋にいる全員の名前言ってあげましょうか?」
「いや、大丈夫だ。今は時間が惜しい」
「そうですか、残念」
余裕の表情を見せてますが内心かなり焦ってます。これからどうしたら良いの?
ここから城戸さん達から質問を投げ掛けられる。
城「いつから独り暮らしを始めたんだ」
忍「今の仕事はいつから?」
林「戻って来ようとは思わなかったのか?」
小「学校は?何処に通ってるの!?」
一編に言わなくても...まぁ答えるけど。
「1人暮らしは高校に入ってからです。モデル業は中2から、スカウトされて始めました。私情を挟んでしまうため戻ろうとは思いませんでしたね。学校は三門第一に通う予定だよ」
「予定ってどういう事?通ってるんじゃないの?」
「えっとね、実は最近こっちに引っ越して来たんだ。だから、こっちの学校に通う予定」
そう言うと桐絵は凄く喜んだ。嬉しそうな桐絵を見ると僕まで嬉しくなり、顔が緩む。
「静かにしろ。まだ終わってない」
「まだ何か?」
「あぁ...進について何か知らないか?」
進さんの事なら知ってますとも。でも、今言うのはダメって僕のSEが言ってる。
「進さん?そう言えばいませんね。どうかしたんですか?」
「進は第一次大規模侵攻の際に行方不明になった」
「進さんが!?」
嘘だと悟られないよう、驚いている演技をする。演技は昔から得意だ。
「明希も知らないんじゃ手詰まりですね...どうします?城戸指令」
城戸さんは少し考えてこう言った。
「...取り敢えず、明希。ここに戻ってくる気はないか?」