モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)
第2章 仕事
「機械が壊れた!?」
「わぁー...」
「寺島、新しい機械を持って来てくれ。この子はトリオン量が多いのかもしれん」
寺島と呼ばれた男性は、言われた通り新しい機械を持ってくる。もう一度機械を握ると、壊れることなく測ることが出来た。それはもう正確に。
「何コレすご...」
「何だこの数値...数年ぶりに見たぞ」
「え?本部長、前にもこんな数値見たことあるんですか?」
「あぁ。もう少し少なかったが、旧ボーダー時代にいたんだ」
忍田さん、それ以上はダメだ。言っちゃダメな予感がする。
「それって、もしかしてこの子だったりしないんですか?」
ほらやっぱり!そう言うと思った!数年前なら俺だって今より少ないからな!年齢も計算したらピッタリだからな!
「流石にそれは...いや、あり得るな」
「えっ」
「シュウさん、君の本名を教えてくれないか?」
そこはあり得ないって言ってほしかったです忍田さん!
そして、聞かれて素直に答えるわけがない。
「すんません、個人情報は出せないんです」
「そうか。...藤咲明希」
ピクッ
あ、ヤバ...思わず反応しちまった。何で反応すんだよー俺ー!だがしかし、この姿の時の本名は《シュウ》なのだ。これは嘘じゃない。
「聞き覚えがあるようだな。素直に言え。君の本名は何だ?」
「俺はシュウだ。詳しい話が聞きたいなら、明日もう一度ここに来るんで、メンバー揃えるなり忍田さん一人で待つなり自由にしてください」
そう言って俺は部屋を出た。道わかんないけど、適当に歩いてたら着くだろ精神でひたすら歩く。
そしたら何と言うことでしょう!無事に着いたぜ!マジラッキーだったわ。
「シュウ!帰るよー!」
「今行きます!」
マネージャーに急かされて皆の所まで走る。スタッフさんや嵐山隊に挨拶して、表に用意されている車に乗って帰宅。
時刻は夕方5時過ぎだった。
リビングのソファーに沈み込むようにして座る。明日の事を考えるとかなり憂鬱だ。
恐らく明日は、あまりよろしくない展開になるだろう。
僕はボーダーに入る気がないし、僕が最も守りたい人が居ないかもしれない。生きててくれるのを願うしか今の自分は出来ない。
君だけが今の僕の希望なんだ。
だからお願い。生きててね...
○○。