第2章 按排【現】
気づくと目の前には月白の天井が広がっていた。
見慣れぬ天井、見知らぬ匂い、シーツ、風。
それだけで、アレは夢ではなく 現実 だったのだと私に理解させるに充分な材料となった。
だが、1つ...(本来は両の手でも足りないくらいだが)不可解な点があった。
あれ程までに、爛れや切り傷、火傷によって悲鳴を上げていた身体が、今はどこも痛みを感じず、寧ろ調子が良いと感じる程だった。
一体どういうことだろうか、そしてここは何処だろう
黄泉の国ではないことと、、、、私の町でないことも確かだった。
とにかく、少なくとも私をここまで連れてきて、休ませて下さった方がいる事は確かなのだから、お礼をしなければならない。
身を起こした矢先、どこか重たい雰囲気で鎮座していた戸がすぅーと開いた。