第1章 篇首 【夢】
?「ご無事ですか!!!?」
...あろう事か目の前の尻尾、改め動物は人の語を使用して問いかけまでしてきた。
やはり私はもう黄泉の世界へと来ていたのだろうか...?
?「嗚呼良かった、意識がおありなのですね!!
もう大丈夫ですヨ!!
今は御札によって一時的に遡行軍から身を隠している状態なので消して安全とは言いきれませんが、直ぐに政府からの迎えが来て貴方様を保護致します!!!」
動物はそのようなことを一息で告げた。
よく見るとその動物は 御狐様だった。
あぁ。神は使者を出し、私を救ってくださったのか...安堵からか全身から力が抜け落ち、朦朧とする意識の中で最後に見たのは、
漆黒の空と 煌々と燃え盛る朱殷の炎だった。