第2章 按排【現】
?「お目覚めですか!?
どこか変な所等はございませんか?
あ、何かお飲みになりますか!?」
顔を覗かせ、私の姿を見るなり矢継ぎ早に質問を投げかけて来たのは
あの時私をお守りして下さった御狐様だった
そういえばあの時、政府やら保護やらと御狐様が仰っていた気がする。
微かな記憶の糸を手繰り寄せ思い出そうとするも、あまり思い出せそうにない。
?「...ぃ様?.........初様ぁぁぁ!?大丈夫ですか!??」
『!?』
ハッとなり顔を上げる、なんということだ。恩人、しかも神からの御使いの御狐様を前にして私は自分のことばかり.....
?「やはりショックが大きいですよね...とりあえずこちらをお飲みに下さい。
三日三晩眠り続けられていたのですよ!!?」
御狐様は怒るどころか親切にお水を手渡して私の心配までして下さった。
『有難うございます。なんと御礼申し上げればよいか...。』
?「何を仰います!!!寧ろこちらが謝罪しなければなりません。
私共の不注意で、貴女様の故郷が遡行軍に.....」
『...............不注意?なんの事ですか?
...そういえば助けてくださった時にも仰っていた“遡行軍”というのは?あの鬼の様な化物のことですか?なぜあの様な化物が私共の町に...?』
やはり色々と気になることはあるが、一番は私の町を壊していったあの化物だ。
?「はい...我々はあの化物、遡行軍から歴史をお守りしているのです。
詳しいとこは守秘義務であまりお話できないのですが、何故か貴女様の町に遡行軍が現れるという予知が誰もできず、あの様な結果になってしまったのです
本当に申しわけございませんでした.......。
しかし、初様だけでもご無事でよかったです、はい。」
『...なるほどですね.....よくは存じませんがアレはあの遡行...軍?とやらが悪いのであって御狐様が謝罪してくださるようなことが何処にあるというのですか?
それに...自分たちの町を自分たちは守ることが出来なかった...そういうことです。
...あの、ところで何度も質問を申し訳ないのですが、、、何故その“名”を...?』