第4章 経始【進】
逃がすまいと周りの刀剣男士達も気を張り、柄の部分に手をかける。
しかし、狭い室内で蛍丸の本体、大太刀が一振されれば近くにいたものは容易く切れてしまうことは分かっているため、動くに動けない一同。
それを察し蛍丸が一本踏み出し、周りが一瞬怯んだ時、大和守と愛染は出口に向かって駆け出した。
「なっ!?」
容易く逃走劇を許してしまった刀剣男士達は更に動揺し、後を追おうとするが直ちに蛍丸が扉に立ちはだかり、後を追うことを許さなかった。
「蛍丸、あとの二人もどういうつもりだ!
人間などを庇って、それがどういうことかわかっているのか!?」
怒る一同に へへっごめんね と舌をチロリとだして謝罪をして、刀を大きく振り、皆が一歩退けた所で、すかさず蛍丸は三人のあとを追った。