第3章 起首【淀み】
だめ そう呟いて肩に顔を埋めてくる大和守様。
戸惑い、硬直する私を笑いつつ、スンスンと首元を嗅がれ思わず飛び上がる。
その反応にすら笑みを浮かべ
安定「初、いい匂いがするね。
なんか、頭おかしくなりそうなくらい甘い匂い。」
そう言いながら気づけば先程なおした服を再び乱され、肩の傷を露わにされる。
そこに、触れるか触れないかの啄むようなキスを落とされ、私の戸惑いと羞恥心は限界値を迎え。大和守様の胸を両手で押し返した。
安定「なに!?さっき僕にあんなことしてきたのに、恥ずかしいとかいうの?
てか、女の人って皆こーゆーのがすれば喜ぶんじゃないの!?」
あんなこと と言われ一気に記憶の糸を辿り、口付けをして邪気を吸い取っていたことを思い出す。
顔から火が出そうな程赤面させ、反論しようとするが、混乱しすぎて言葉が出てこない
安定「...もしかして、あれ初めてだったの!?」
図星を突かれればもうなにも言えなくなってしまう。
沈黙を肯定と見なし、大和守様の口は弧を描いた。
安定「へぇ...ほんとに変わってんね、今までのやつらはみーんなこんな事ばっかさせてきたのに。
でも、自分から誰かに触れたいなんて思ったの初めてだ。
ちょっと喜ばせようと思っただけだったけど、煽ったの、そっちだからね?」
そう黒い笑みを浮かべれば、開いたままの私の口を間髪入れずに塞いでくる。