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清廉の君に紅を【刀剣乱舞】

第3章 起首【淀み】


『大和守様、数々の御無礼どうかお許し下さい。
お助けしたいという一心で...あの様な真似を...
しかし、大和守様がご無事で、意図せずですが御怪我もお治りになられた御様子で何よりです。』

指先と額を畳につけ、謝罪をし、大和守様からの返事を待つ。

安定「...なんで人間のくせにそうなの?
人間は僕達のこと物としてしか見てないのに。
なんで“ただの物”の僕にそこまでするんだよ、怒って、怒鳴り散らして、罵声あびせて手を挙げろよ!!?
なんで?
.......僕は誰からも愛されていない...必要とされてない...
...沖田くんに会いたいよ...もう嫌だよ.....
...ほんと...おかしいよ...おかしいってば.......」

彼の心の声だ。ここで私が受けとめないで、今後誰が受けとめるというのだ。
次第に弱々しくなり、震えてくる声に顔を上げた。

『.....確かに私はおかしいのかもしれません。
だって、殆ど知りもしない貴方様のことが、貴方々刀剣男士様達が、こんなにも愛おしいと感じるんです。
...そんなこと仰らないでください。
貴方様が、本来物であるという事は事実です。
しかし “ただの物”は、その様に涙を流すとこはできません。意志を示すこともできません。誰かを、想う事もできません。
それに、物は物でも、貴方様は誰かに愛され、そして歴史を守るべく選ばれ、必要とされてその身を得られたのです。
どうか御自身を攻めないで?怒りや憎しみは私にぶつけてください。さっきから言ってるじゃありませんか?」
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