第3章 起首【淀み】
だが、人間にそんなに優しくしてやるつもりもない大和守は、無機質に「ねぇ」と初に声をかければ、初はビクリと身を跳ね上がらせ、ゆっくりと大和守の方に顔を向けた。
安定「お前、ホントになんなの?
肩を刺して気を失った時から思ってたけど...
突然蛍みたいな光がお前に集まって身体に入ってって...気づけば傷は塞がってて小さい傷なんて消えてるし、さっきも、僕の...その.....暴走した気を浄化させちゃうし...お前の血を舐めたら、僕の傷...だけじゃなくて、怠さとかまで全部消えたんだけど...。」
そう少しキレ気味に問いかけ、「あ、あと...謝らない...からな...」とそっぽを向いて呟いた。
自分も一向にわからない。
それが正直な所答えだった。しかし、そのような回答をすれば、ふざけているのかと斬られてしまうかもしれない。
慎重に、尚且つ嘘にならないような模範回答を思案する。
『正直な所...自分でもあまり良く分かっておりません。
しかし、つい先日、私は人より“神気”が多く宿っていると、とある方に言われました...
もしかすると、それに何か関係があるのかもしれません...。』
嘘ではないはずだ...本当によく分からないが、恐らく嘘はついていないであろう。
力を振り絞り、露わになった肩をしまいつつ、大和守様の方に背を正して座る。