第3章 起首【淀み】
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こいつは何を考えているんだろう。
あの状態で飛び起きれば、こうなることは容易く想像できるのに...本当に馬鹿な奴だ。
「あはは、自分から刀に刺さって死んでいくなんて」
...そう呟くが、何かがおかしい。いや、明らかにおかしい。
何故こいつが...僕らの全てを壊していった
ー最初の審神者がー
....確かに僕らの手であの時葬ったなずなのに.....
それに、あいつは人の涙を拭うなんて...
...........アレ?...どうして僕は泣いていたんだろう.....?
静かに瞳を閉じて眠る少女の顔を隙間から入り込んだ夕陽が柑子色に染めている。
肩から溢れ出て、畳に広がる鮮血海が、夕陽に照らされより濃く、輝きを放っている。
...あいつの血は..........こんなに綺麗じゃない。
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