第2章 出会い
唇が触れるか触れないかの時、私の空っぽになっていた心に火が灯った。
「いやっ!!!」
私はその綺麗な顔を力いっぱい手で押さえつけた。
「なっ!?」
抵抗されるとは思ってなかったのだろう。だが、すぐに私の手は自由を奪われた。
「なんで!今OKな雰囲気だったよね!?」
「こんな所に連れてきて殺さないから抱かせろだなんて脅迫でしょ!このレイプ犯!」
「!?レイプ犯は酷すぎ!君だってさっきちょっと気持ちよくなってたでしょ!」
思わず顔が紅潮するのが自分でも分かった。
「きっ…気持ちよくなんてなってない!だいたい初対面の男にこんな所に連れてこられて、はいそうですかって言って抱かれる女がどこにいるの!」
「今までの女の子はだいたいそうだったよ。」
私は苦虫を噛み潰したような顔になった。
「まぁ確かにほんとの最初はちょっと抵抗あったみたいだけどさ。」
そう言いながら男は目線を私の体に絡めてくる。
「だんだんほぐれていって、最後には俺にメロメロって訳。」
そう言いながら男はおもむろに私の両手を祈らせるように重ねた。
「だからさ。黙って俺に抱かれてよ。」
そう言うと同時に私の手は光に包まれて、その光が晴れた時、手首には…。
「………なにこれ」
「手錠」
ジャラッという音ともに鎖が男の手からこぼれ落ちた。どうやら手錠と繋がっているらしい。
「……やっぱりレイプじゃん…」
「仕方ないじゃん!君の抵抗が激しすぎるんだよ!」
私がジトーッとした目で責めるが、彼には効かず。
「ほら。いくよ。」
乱暴に鎖をグイッとされ体が引っ張られるが、不思議と肌に食い込む感覚などはなかった。
「いくってどこに…」
バスルームから連れ出され、予想はしていたが、ベッドへと直行する彼。
「どこって…」
そして鎖を操り、雑に私をベッドに横たえた。
「天国?」
ニヤつく彼に私が蹴りを入れると、手だけじゃなく足まで枷をつけ固定されてしまった。しかも開脚状態で。鎖は魔法か何かなのか、一瞬光を放つだけでベッドに固定されていた。