第10章 終幕
「前に言ったでしょ。嫌がってるのに感じてるところがかわいいって。」
優しくベッドに横たえられ、ギシリと音を立てて、彼は私に覆いかぶさる。
それって、私が素直になったら可愛くないということだろうか、と不安がよぎる。
「…じゃぁ、この前みたいなのは嫌なの…?」
目を伏せて、私は尋ねた。先日の媚薬騒動での私は、タガが外れていた。今になってそれがとてつもなく恥ずかしく感じてくる。
そんな私に彼は優しく微笑み返す。
「まさか。すごくよかった。」
「ほんとに…?」
彼の目を見やると、真っ赤な瞳がまっすぐにこちらを見つめてくる。
「薬のせいっていうのが残念だったから、今日は本当の君、見せてくれる…?」
「……うん…」
私が返事をすると、彼と私の唇は重なった。