第9章 恋心
振り返ると、そこにはバックスが立っていた。
ミクチャはとっさに手に持っていたものを後ろ手に隠して「ほほほほ~」と笑いだした。
「あらぁ。バックス様どうしたのぉ。怖い顔してぇ。」
彼はずかずかと部屋に入ってきて、はだけた服の上から縛られた私を見る。
私は恥ずかしくて、思わず身を屈めた。
「ミクチャ。これはどういうこと?」
「ちょぉっと魔が差しちゃってぇ。ほんとちょっとだけよぉ。」
「ふーん?」
彼の表情はどんどん冷めていく。
彼女は少し焦りの色を見せ始め、「そうだぁ!」と言いながら、私の肩を掴み、彼の前に突き出した。
「ちょっと!」
当然、はだけたまま縛られてる私は、バックスの前にあらわになった胸を隠すことも出来ず、顔を赤らめるしかない。
「3人で楽しみましょうよぉ。ほらぁ、この子ったらこっちももうトロトロなのよぉ。」
そう言って彼女は私のスカートをたくしあげて、割れ目を開いてみせる。
「やっ…」
私は更に顔が熱くなるのを感じた。思わず目をつぶってしまう。
彼女は「うふふ~」と笑いながら、割れ目をなぞり始めるが、その手はすぐ動きを止めた。
「あらぁ。見ただけで勃っちゃったのぉ?」
彼女の言葉に「え?」と思って彼を見やると、さっきまでの少し冷めたような表情から欲情の表情に変わっているのが分かる。
勃っているかは私には分からなかったが、その目は何度も見たことがあった。
「バックス…」
私は助けを求めるように名前を呟いたが、彼は目を背け咳払いをした。
その隙をついて、彼女はさらに追い打ちをかける。