第1章 帰
「〜‼︎迎えにいくって聞いてなかったの?」
少し昔の思い出に浸っていると
大きな声で名前を呼ばれて
結構な時間が経っていることに気がついた
目の前に膝に手を乗せて息をついてる夏菜を見て
また、探させてしまったかと
申し訳ない気持ちになった
ごめんという意味も込めて
眉を垂らしハンカチを出すと
「まったくー」
なんて言って笑ってくれた
「今日は病院に行ってから
明日の為に荷物まとめなきゃいけないでしょ?
そろそろここを出ようか 」
夏菜の声に頷いて
チラリともう一度イルカを見て
帰りのゲートをくぐった