第1章 帰
水族館を出て少し歩いたところで
スマホを出し夏菜に見せた
〔病院は1人で行けるから、先帰って大丈夫だよ。
結果も問題ないと思うし
明日からのことを少し言われるくらいだから〕
スッと夏菜の目が細められ
なんだろうと思っていると
「私に付いて来られるのなにかまずいことでもあるの?
先生と内緒話でもする気?
私に聞かれるとまずいとか?」
と一気に捲し立てられ
横にブンブンと首を振った
すると
「なら行っても問題ないわね」
ニッコリと笑顔で言われた為
苦笑いするしかなかった
夏菜がこんなに心配症になったのも
過去に自分のしたことが原因だったので
こちらは何も言えない
(大丈夫なのに…)
思ったことが顔に出てたのか
「私が安心したいから勝手に行くだけよ」
と言われてしまった
(本当に優しいな)