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【Free!】人魚姫

第2章 再


教室に着くと
クラスメイトから
声がかかり「おはよう」と挨拶をして
当たり障りのない話を少した


ようやく解放されて
自分の席に着くと
まだ前の席とその隣の席に
人がいないことを確認する


クラスがガヤガヤしている中
目当てである名前を呼ぶ声が聞こえた

「ハルの席は俺の隣の席ね」

声のする方へ顔を向ければ
橘と目があった

「鈴木さんおはよう。
ハル、後ろの席の鈴木夏菜さん。
昨日転入してきたんだ」


橘は七瀬に紹介し始めた

(写真の人物で間違えない…。こいつが七瀬遙)


無意識のうちに彼らを睨んでいたのか
七瀬は眉間に皺を寄せ
橘は少し驚いた顔をしていた

「なに?」

七瀬が
不愉快そうに尋ねてきた


一方的に知っているが
実際に会うのは初めてだった

初対面な筈なのに
声を聞くだけで腹の何処からか
モヤモヤしてドス黒い物が出てきそうな気がした

「……。なんで…。あんた達が……」

口から出てきたセリフは
クラスのガヤガヤした音に
かき消されるほど
すごく小さかった

だが、瞳は晒されることはなかった


朝のホームルームが始まる前

「おはよう」
「昨日のテレビ…」
「ねぇみて!今日発売の…」
「ヤバー!まじイケメン!」
「今日、母ちゃんがさ…」

いろんなところできゃっきゃ
と、盛り上がっている中
教室の奥、窓側の席だけ空気が違った
--------夏菜 SIDE END
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