第1章 帰
「--そしたら、隼人がね〜」
家までの道のりは
貴澄くんが弟の話ばかりしていて
あっという間に目的に着いた
貴澄くんの腕をチョンっと
引っ張り家を指差すと
「ここがちゃん家か!
今度遊びに来ていい?」
と笑顔でたずねられた為
こちらも嬉しくなり
笑顔で頷いた
「お邪魔しまーす」
靴を脱ぎリビングまで案内すると
お茶の用意を始めた
「ちょっと!ちょっと!お茶なんていいから
早く着替えてきなって」
慌てたようにキッチンに入ってきた貴澄くんを見て
前と変わらないなっとおかしくなり
笑ってしまった
[わかった!散らかってるけど少し待ってて]
冷えた身体をシャワーで温める
あまり彼を待たせるわけにもいかないので
早めに出てリビングまでむかう
「なんで髪が濡れたままかな〜
身体を温めめた意味ないでしょ
乾かしてあげる。
ドライヤーどこ?」
急いで出てきた為
髪の毛はタオルで拭く程度にしたが
それがダメだったみたいだ
自分でできる
ドライヤーをギュッと握り胸元に寄せるが
貴澄くんは「はい、ここ」っと
貴澄くんの座っているソファーの足元を
ポンポンと叩く
貴澄くんはしつこい
それはわかっていた為
おずおずと近づきチョコンと座った