第1章 帰
友人と来ている場所は水族館
1人で来ることがほとんどなのだが
時々こうして友人が付いて来てくれる
友人の名前は鈴木夏菜
同い年なのにすごく頼りになるお姉ちゃん気質
水族館に来ると
夏菜は悲しそうな顔をすることが多い
それは多分自分のせいなのだろう
すごく優しい友人
こんな顔をさせたいわけじゃない
だから
誘わないで1人で来ることが多い
心配になり夏菜の顔を覗き込むと
夏菜は真剣な表情で
「まだ忘れられない?」
っと聞いてきた
何のことだかすぐにわかり
スマホを取り出し文字を打ち
夏菜に見せた
〔私は、あの場所が好き。みんなが大好き〕
文字を飲み終わった夏菜が顔を上げた為
目があった。
(そんな顔して……。)
「そっか……。そうだよね。」
っと、夏菜はすこし困ったように笑ってに背を向けた
「深海魚見て来るけど、はまだここいる?」
首だけこちらに向けて聞いてきた夏菜の顔は
いつもどおりだった為 すこし安心した
笑顔で首を縦に振れば
「あとで迎えに来るね」っと背を向けて歩いて行った