第1章 帰
みんな一斉にまこちゃんに注目するが
構わず床を見たまま続けた
『水泳は好きだし、みんなと泳ぐのもすごく楽しい 。
けど、ちゃんに寂しい思いはさせたくないんだ』
『ちょっとまってよ!まこちゃん!
正直、寂しいと思った。私が男の子だったらみんなと泳げたのかなとかも考えた』
言葉を続けようと息を吸ったら急に腕を引かれた
何かと引かれた方を見ると焦った顔のハルちゃんがいて
『ダメだ!男になるのは許さない』
と言ってきたので苦笑いしながら
『男にはならないよ』
と返しておいた
『ちゃんと自分の気持ちを考えてみたら
寂しいって言うより羨ましかったんだと思うの。
リレーの練習をしてる時のみんなって
すごくキラキラしてて…羨ましくて、
私も何かできないかなって。
私もみんなの役に立ちたいってそう考えてた』
はぁっというため息が聞こえて
顔を上げると凛が照れ臭そうに話しはじめた
『前にも言ったが、俺はお前の泳ぎが好きだ。
気がついてないと思うけど、真似…してることがある』
だんだん顔が赤くなっていくが
一生懸命伝えようとしてくれてる
『お前の無駄のない綺麗なフォームに
俺の力強く脚力があれば
完璧になるだろ アドバイスくれよ
自分では見れないとこをが見てくれればいい
俺はもっと速くなりたい』
『俺はがそばにいればそれでいい』
凛ちゃんの力強い目
ハルちゃんの優しい目
『じゃあさじゃあさ、これから5人で練習すればいいじゃん!
ちゃんもプールサイドからじゃなくて
一緒にプール入ろうよ!その方が絶対楽しい 』
渚くんが手を握ってブンブンと振ってくる
『それは嬉しいんだけど、でも『迷惑じゃないよ。僕もちゃんがそばにいてくれると嬉しい』まこちゃん…』
渚くんのキラキラした目
まこちゃんの嬉しそうな目
『みんな優しいな。
私はみんなの役に立ちたい
出来ることがあればなんでも言ってね』
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