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【Free!】人魚姫

第1章 帰


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スイミングスクールに着くと
いつも通り水着に着替えて
プールサイドでハルちゃんたちを待つ

『ななせくーん待ってよー』

少し高めの声が響いて
顔をそちらに向けると
ハルちゃんの後ろをヒヨコみたいに
くっついてくる男の子がいた
その子が私に気がつくと
『ちゃんだ!』と言ってたこちらに向かってくる

『こんにちは、渚くん』

『こんにちは!ちゃん!ねぇ聞いて!
松岡くんに僕もリレー出たいからメンバーに入れて
って言ったら
いいよって言ってくれたの』

満面の笑みでそう話して来る子は
歳が一個下の葉月渚くん

すると隣から松岡君が顔を出して

『おい!次のタイムトライアル、ブレで1番とったらって言っただろ』


その会話をぼーっ聞いてたら
松岡君にポコッと頭を叩かれた

叩かれた場所に手を置き
松岡君を見ると
頬をちょっと赤くしながら『ったく、話聞いてるのかよ』
と言われたのでとりあえず頷いておいた


『本当はお前もメンバーに入れたかったんだけどな…。
お前のバッタ…俺は……その……好きだし』

目をそらされて言われたけど
その言葉にびっくりして目を見開いてしまった

『え…松岡君、私の泳ぎ見てたの?』

そう聞くと
松岡君は慌てたように
『そんな悪い事してるみたいに言うなよ!
ってかいつまで苗字で呼ぶわけ?
他の奴ら下の名前じゃん』

『ふふふっ じゃあ凛ちゃんって呼ばせてもらおうかな!
なんか、一気に距離が縮まった気がするね』

凛ちゃんは頬をかきながら
『ちゃんって…まぁいいや。
俺もって呼ぶな』

『凛ちゃん、泳ぎを褒めてくれてありがとう
すごく嬉しかった!
私も凛ちゃんの泳ぎ好きだよ
力強くて真似できないから羨ましい』

凛ちゃんの目を真っ直ぐ見て
自分の思ったことを伝えると
凛ちゃんは耳まで真っ赤になっていった


『ちゃーん!一緒に泳ごう』

プールの中から渚くんに声をかけられたので
『またね』と凛ちゃんに言って
渚くんの隣のレーンに入った

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