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【Free!】人魚姫

第1章 帰


松岡くんが同じスイミングクラブに通いはじめてから
松岡くんがハルちゃんを
メドレーリレーに誘うのを度々見るようになった

(みんなで泳ぐんだー。いいなぁー…。私も男の子だったらみんなとリレーできたのかな)
なんて思いながら2人の会話を聞いてると
ハルちゃんはこちらをチラッとみた


なんだろと思って首を傾げたら目をそらされ
断られてもめげずに誘う松岡くんに
『だから俺はフリーしか泳がないって言ってるだろ』
と会話を続けていた



『ハルちゃんは何だかんだ言って
松岡くんのこと気になってるんだと思う』
突然こんなことを言いはじめた私にびっくりしながらも
『あー、松岡くんの真似してスイミングクラブの帰りに走って帰るようになったもんね』
なんて相槌をうってくれた

『ハルちゃんを松岡くんに取られたみたいで
なんか…ちょっとさみしいな』

机の上に置いた腕におでこを乗せうなだれていると
まこちゃんが頭の上をポンポンッと撫でてくれた

『大丈夫、ハルちゃんの1番はずっとちゃんだよ。
ハルちゃんがちゃんを置いていくことないてないから』


『……ハルちゃんの1番は水だよ』

少しだけまこちゃんの方に顔を上げて
ムッとした表情でいうと

『あー、そっか…。じゃあ僕の1番は
ずっとちゃんだから、それでいい?』


エメラルドグリーンの優しい目で覗き込んできた
まこちゃんにドキっとして
自分の顔が赤くなっていくのがわかる

だんだん恥ずかしくなってきて
慌ててまこちゃんから視線を外した

『そんなこと言われたら
いつまでも拗ねてられないじゃん…。
…ダメだよ。まこちゃんそんなこといったら。
大人になって後悔するんだからね』


照れた顔を見られないように
まこちゃんに背中を向けて歩きはじめた

『大丈夫。僕の1番はずっとちゃんだから。』


…だから最後に言ったまこちゃんの言葉は聞こえなかった
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