• テキストサイズ

出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】

第2章 第2話


そのあと2時間くらいランク戦やって、米屋や他の隊員は寮や家へと戻っていった。

俺も少し休憩してから戻ろうと思いながら更衣室でアイスを食べていると、後ろからパサリと布の落ちる音がした。

何かと思って振り向くと、風間さんが隊服から私服に着替えていた。

「あ、風間さん」

風間さんは俺に気づいていなかったのかまた嫌そうな顔をして振り向いた。

「…尾けるな」

「誤解ですって」

ハァ…と短いため息をついたあと、風間さんは着替えながら俺に話しかけた。

「…結局ランク戦はできたのか」

「ええ、弱い奴しか居ないんでポイントゴリゴリ稼いじゃいました。まぁ米屋に少し取られましたけど。そういえば先輩は米屋が謹慎なの知ってました?」

俺の謹慎が知れてるなら米屋のことも知ってると思ったんだけど。

「知ってる」

「なんであの時教えてくれなかったんですかー!?そしたら米屋ともっとできたのにィ」

「お前らの事だからお互い知ってるものだと思っていた。それに俺には関係ないことだ」

「相変わらずだなぁ…」

アイスが溶けてしまわない内に口に入れてしまおうと食べていると、風間さんは着替え終わったようで更衣室から出て行こうとしていた。

「あ、風間さん」

「…なんだ」

顔はこちらに向けず、足だけ止めてくれた。

「お昼、あの子と食べたんですかー?」

風間さんは少しピクリと動いて、黙り込んだ。

「…風間さん?」

「日向を知ってるのか」

「へぇ、あの子日向っていうんですか」

俺が素直な感想を述べると風間さんは小さく舌打ちしてさっさと出て行ってしまった。

…地雷踏んだかな?

結局聞けなかったなぁと更衣室のベンチに寝転がると、更衣室の外から声が聞こえた。

「サイズは大丈夫でしたか?」

「あぁ、問題ない。行くぞ」

風間さんとあの子、日向の声で違いなかった。

「まさか風間さんに彼女がいたとはね…」

まあ顔はいいし(背は低いけど)、頭いいし強いしモテてるのは知ってたけど。

俺も昔はよく告白されたりして付き合ったこともあったんだけど任務で時間取れないし、付き合ってるの忘れて他の子と遊んだりなんてよくあったし。

別に浮気性とかってわけじゃねーけど色々あったから固定を作るのはやめた。

最近忙しいから遊んでもいねーし興味も薄れたな。

「さってと…。腹減ったし帰るか」
/ 61ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp