出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】
第2章 第2話
「ねー太刀川さん」
「なんだ出水」
俺は床に座って夕食を待ちながら、キッチンにいる太刀川さんに声をかけた。
「日向って名前の女の隊員知ってます?」
「ひゅうが?どういう字書くんだ」
太刀川さんはキッチンからジュージューと音を出しながら答えた。
「日にちの日に向かうって書いてひゅうがです。で、知ってます?」
苗字を知らないんじゃ、知ってるわけないか。
「知らんな」
「なんか風間さんと仲よさげなんすけど」
「何!?風間さんに女!?」
「いやまだコレなのかはわかんないすけど、お昼一緒に食べる約束とかしてました」
俺は小指を立て太刀川さんに今日見たことを伝えた。
「へえ〜。あの風間さんがランチに誘う相手か…気になるな。どんな顔してた?可愛かった?」
太刀川さんは相変わらず抜け目ない。
「美人、でしたよ。ハーフですかね、あの感じは。色白でぱっちり目、顔も小さかったし」
「出水の太鼓判押しか!珍しいな。どっかのオペじゃないのか?」
「たぶんそうだと思うんすけど…風間さんに新品の隊服渡したりしてましたよ」
「む、ということは本部付きのデザイナーか」