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出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】

第2章 第2話


「あれ出水くん、今日は学校どうしたの?」

本部入り口の受付さんが不思議そうに聞いてきた。

「今謹慎処分中で」

「ああ、そういうこと…気をつけてね」

笑顔で入館を許可してくれた。

謹慎中になったらここに来る、というのが常識らしい。

俺は割と優等生だから今までこんなことなかったから知らなかっただけだけどな。

「さーてランク戦でもするか。だれかA級A級…」

肩を回しながらランク戦のビューイングスクリーンがある大部屋に来てみると、いつもより人が少なかった。

「平日だもんな、そりゃそうか…」

キョロキョロと周りを見渡してみる。

「Cばっかだな…。せめてAよりのBいねえかな…」

観客席の方に目を向けると、周りより背の低い黒髪を見つけた。

…なんて幸運!

「風間さーん!」

観客席の下から手を振ってみる。

風間さんは嫌なものに見つかったと言った顔をしながら振り返った。

「…こんな時間に何をしてるんだ出水。学校はどうした……そうか、お前今謹慎中か」

「そーいうわけっす」

風間さんにも話は行っているらしい。

「謹慎中ならそれらしくもっとおとなしくしていろ。謹慎期間が延びるだけだぞ」

「そんなこと言わないでくださいよー、俺暇すぎて死にそうなんすよー」

「暇だからここにきてランク戦でもしようと?」

「そっす」

「馬鹿が…なんでここに来ることが違反にならないと知ってる」

「太刀川さんです」

「全くあのウスラヒゲめ…余計なことを…」

風間さんは怒るというより呆れた顔でこちらを見ていた。

「…で?俺に何か用か」

「ランク戦しましょー」

「断る」

スッパリ切り捨てられた。

「なんでっすか!?」

「俺はお前と試合をするためにここにいるわけではない。仕事で来てるんだ」

「そんなぁ…じゃあ俺どうしたらいいんすか…」

「弾バカというか、もはや戦闘バカだな。少しは休んだらどうだ」

「ランク戦なんて休憩みたいなもんでしょ!風間さんにとって俺なんてそんなもんでしょうし〜」

「とにかく俺は忙しい。他を当たれ」

ついに背を向けられてしまった。
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