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出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】

第7章 第7話


「つーわけですまん!伊吹。また誘わせてくれ」

槍バカはウインクしながら日向に視線をよこした。

するとそれを見た三輪が信じられないものでも見たかのように目を見開いた。

…なんだ?

顔見知りなのか?

「おい出水。ちょっと話がある」

三輪が俺を教室の外に呼んだ。

槍バカがしつこく話に加わろうとしたが、三輪が力強くはね退けた。

教室から離れた廊下でようやく三輪が立ち止まり、話し始めた。

「お前、あいつと知り合いだろう」

三輪が身を翻し、声を潜めて聞いてきた。

…なんで知ってるんだ?

「…あいつって?」

「陽介がいぶきと呼んでいた女だ」

墓穴を掘りたくないのでうまくシラを切ることにした。

「知り合いっつーか…クラスメイトだけど」

「嘘つけお前この間一緒に風間さんと太刀川と飲んでたじゃないか」

!?!?!?!?!?

なんで三輪がそのことを知ってる!?!?

「な、な…」

「俺はあの日東さんのおごりで飯を食いに来ていたんだ。酒は飲んでない。そこでお前たちを見たんだ」

やっぱりあの店で飲むんじゃなかった!!!

なんでわざわざあそこを選んだのか風間さんに聞くのをすっかり忘れていた。

ていうか三輪、なんで変装してる日向を見抜けるんだよ…。

「なんで成人した女がクラスメイトとしてここにいる?陽介は知らないみたいだがお前何か知ってるだろう」

「な、なんのことだか…」

自分で言うのも白々しい…。

「シラを切るな。このことは本部に報告するぞ」

「な───────!!」

…いや、逆に本部からの指令でここにいるから問題は無………いや、三輪は俺と日向の関係を知っている…つまり俺と日向の関係が本部にバレる!!!

風間さんと太刀川さんにもバレる!!!!

それは避けたい。

「全く何をやっているのか…お前には今監視役が…いや、待てよ」



なんで三輪が俺の監視の話を知ってる?

あれは日向と太刀川さんと忍田さんと城戸さんくらいしか知らないはずじゃあ…。

「…お前、自分が監視されてるのは知ってるな?」

…ここはどう答えるのが吉だろうか。

どうやら三輪には俺の近況を知られているらしい。

これ以上シラを切り続けても本部にチクられて終わりか…。

「…ああ、知ってる」
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