出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】
第4章 第4話
「…私、自分から誘うとか頭になくて。どうせ自分なんかには無理だろうって思いがあって」
「…そんな見た目してるのに?」
思った言葉がそのまま口から出ていた。
「え?」
「あっ、いやっ、その……今まで告白とかされたこと、なかったの?」
「告白、というよりは人伝てに私を好きってことを知ってたってことの方が多いですかね。友人曰く私は高嶺の花らしくて、告白してくれる人は少ないんです。さっきので2回目かな、はは」
高嶺の花、てのはわかる気がする。
「私、基本的に自分から話しかけに行く性格でもないですし、どちらかといえば暗い方ですし……全然モテないんですよ。…出水くんはモテてそうですね?」
日向は覗き込むように俺の顔を見て言った。
最後はからかうような口調で。
「はっ!?おっ俺!?」
「顔はいいし、明るいし、頭もいいしスタイルもいい。そしてA級1位の太刀川隊所属。それに見合った実力と功績。オールオッケーじゃないですか」
やはり、言葉にされると恥ずかしさがある。
「…ま、まあ、それなりに…」
「ふふ、だろうね」
ニコリと微笑む彼女に、俺の心臓は破裂しそうなほど脈打っていた。
この笑顔を見たら、高嶺の花だと言わざるをえない。
今まで彼女と出会ってきた男達が告白しなかった理由もわかる。