出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】
第4章 第4話
「でも最近、人肌恋しいので彼氏欲しいですね」
「それを俺にいうのは………誘導尋問じゃない?」
「え」
まずい、太刀川さんに火がついた。
「名無しちゃんて、割と確信犯?じゃなかったらこんなとこ来ないもんね、女子一人で」
「え、あの…」
「太刀川さん」
それは、思わんでもなかった。
一人で来たっていうのがわかったときは女一人がいいのかなって思ったけど、さっきの話を聞いているとまだ同性の友達がいないということも予想できるし、なにより風間隊がついていれば他の女が近寄りがたいのもわかる。
「つまりは俺たち2人にも脈はあると。そういうことだよね?」
俺の牽制も耳に入らないらしい。
あと、地味に俺をカウントするな。
「いや、あの」
「俺…回りくどいの嫌いだからさ…ハッキリ言っちゃうけど」
「太刀川さん!」
「俺と付き合わない?」
………あーあ。
「…ごめんなさい」
日向は即答して頭を下げた。
「えええ!?早くない!?さすがに早くない!?!?もうちょっと悩んでもいいんだけど!?!?!?」
「ごめんなさい、今は無理です」
…今は?
「さっきも言ったんですけど…自分が好きって思えた人と以外はお付き合いしません」
…ハッキリ言うなぁ。
「そんなに俺のこと、嫌い…?」
太刀川さんが割と傷ついててわらう。
しかもそこまで言ってない。
「いや、好きとか嫌いとかじゃなくて、まだ出会って1日も経ってないんですよ!?そんなんで決められるわけないじゃないですか」
「それは…」
「だから、お付き合いは今はできません。ごめんなさい。でも…」
「?」
「お付き合いを念頭に置いた友達としてなら…全然、大丈夫です」
「……!!」
友達から、ね。