出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】
第4章 第4話
「おい、アレって…」
「風間隊と太刀川隊…!?珍しい組み合わせだな。…ん?あの女誰だ?」
「スッゲー美人…見たことねえ」
「俺今日見たぜあの6人!本部で話してるとこ!」
「マジか!?あの女なんなんだ?あの5人と知り合いなんて…」
「なんか風間さんと仲よさげだったぜ!」
「な!?まさか風間さんの…!?」
────────噂ってのは一人歩きしていくもんだな………。
ていうか、自分の知らぬ間にいろんな人が自分たちのこと見てるよな。
怖え。
「名無しちゃん俺…帰りたくないっ」
「何言ってんですか、もう9時過ぎましたよ」
「今日は…帰りたくない…」
「股間蹴り上げますよ」
約3時間ほど、飲み食いしながら日向について色々聞けた。
現在20歳で、デザイン系の専門学校に通っているが、希望職種はデザインではなく、フリーのイラストレーターらしい。
趣味は絵を描くことで、綺麗な人を描くのが好きだとか。
すごいうまかった。
あんまり外に出ることはなくて家にこもって絵を描くのが好きらしい。
だから友達もあまりいなくて、こうやって大人数で食事をするのも滅多にないんだとか。
あと、彼氏は現在おらず、募集中らしい。
「えっじゃあ俺立候補しても…」
その話題になった時、言いかけた太刀川さんに風間さんの叩きが炸裂したり、場はかなり和んでいた。
日向も初めは緊張していたようだったがだんだん解けてきて軽い下ネタまで言うほどになっていた。
見た目ほど、中身は女子女子していなかったので俺としては話しやすかった。
まあ、話の中心にいたのはほぼ太刀川さんで、俺はほぼ聞き手だったけど。
歌川は暇になって寝はじめ、菊地原は風間さんのビールをコソコソ飲んで撃沈、俺も若干飲んでいたためほろ酔い状態だ。
日向はチューハイしか飲んでいないため割とピンピンしてるし、風間さんはゆっくり飲んでいたからいつも通り、太刀川さんはというと、かなり飲んでいたけどまだほろ酔い状態。
何杯飲んだんだよこの人…強すぎだろ。
「金的じゃ甘いな。こいつにはもっと苦痛を味わせろ」
「ちょ、風間さん煽らないでください」
この2人の雰囲気もだいぶ良くなってきたので、俺は話を切り出した。